top of page

“奴隷制度”批判を乗り越えるはずが…外国人ドライバー雇用に潜む「残酷な落とし穴」

7月17日
読了時間: 3分

“奴隷制度”批判を乗り越えるはずが…外国人ドライバー雇用に潜む「残酷な落とし穴」とは

外国人トラックドライバーに対する特定技能制度が始まっているが、どうにもモヤモヤしてしまう。そもそも「外国人でドライバー不足を補う」という考え方自体、本質的な解決策になり得るのか疑問を感じるし、むしろ本制度に参加する運送会社は新たな苦労を背負い込むだけのような気がするからだ。そこで本稿では、トラックドライバー分野(自動車運送業分野)における特定技能制度を解説。外国人ドライバー雇用に詳しい行政書士やまぐち事務所 山口 嘉公氏へのインタビューや過去に行ったミャンマー人技能実習生への取材を交えつつ、同制度が抱える課題を明らかにする。


2027年4月「育成就労制度」がスタート

 1993年に創設された技能実習制度は、「現代の奴隷制度である」と諸外国から批判されてきた。実際、2023年中には技能実習中の失踪者が、過去最高の9753人まで増えてしまった。  


この理由は後半で考察するが、技能実習制度の抱える課題が顕在化したものと言えよう。この反省を踏まえて新たに誕生したのが、2027年4月1日に施行する育成就労制度である。  


新制度において、外国人労働者は未経験からスタートして段階的に専門性を高め、最終的には日本での長期就労(永住権も取得可能)を目指すことができる。


「育成就労制度」「特定活動55号」とは何か?

 最初のステップは育成就労である。原則3年間の在留期間で、基本的な技能と日本語能力を育成する。ここで日本語試験や技能試験に合格するか、良好に修了することで次のステップである特定技能1号へと移行できる。  


特定技能1号は通算最長5年間、戦力として現場で活躍する期間であり、旧制度では現実的に困難だった転職も可能となった。特定技能1号として働く5年間で、さらに高度な技能と、現場のリーダーや監督者としての実務経験を身に付けることで、最終ステップである特定技能2号へとステップアップできる。  


特定技能2号では、在留期間の更新上限がなくなり、それまで認められていなかった家族の呼び寄せが可能になるほか、永住権取得にも道が開かれる。  


ただし、特定技能1号の対象となる16分野のうち、「航空」および「自動車運送業」の2分野は育成就労の対象から除外された。  


これは職業の特性上、やむを得ない措置ではある。と言うのも、「自動車運送業」の場合、ドライバーという職業は運転免許を保有していることが前提だからだ。運転免許を持っていなければドライバーとしての仕事はさせられないため、「就労しながら技能を身に付けられるよう育成する」という育成就労制度が成立しない。  


このジレンマを解消するのが、特定活動55号(告示55号、特定自動車運送業準備、2024年12月開始)である。トラックドライバーの場合は最長6カ月、バス・タクシードライバーの場合は最長1年、日本の運転免許を取得するための準備期間として設けられた。  


当たり前だが、この期間中にドライバーとして働くことはできない(運送業における補助的な仕事はできる)。そしてこの在留期限内に運転免許(バス・タクシーは第二種)を取得できなかった場合、その時点で強制的に帰国させられる。

 
 
 

最新記事

すべて表示
群馬県警が外国人向け運転免許問題に誤り 366人が不合格に

群馬県警が外国人向け運転免許問題に誤り 366人が不合格に 県警は29日、外国語で受験する運転免許の学科試験で、問題の誤りや採点ミスがあり、本来合格とすべき366人を不合格にしていたと発表しました。 誤りがあったのは、英語、ベトナム語、ポルトガル語の試験問題で、本来合格とすべき366人を不合格にし逆に不合格とすべき28人を合格にしていたということです。県警によりますと、ことし9月に外国語の仮免許の

 
 
 
「高度専門職」在留資格を申請し中国人を不正入国、容疑の役員再逮捕 富裕層移住関与か

「高度専門職」在留資格を申請し中国人を不正入国、容疑の役員再逮捕 富裕層移住関与か 学歴などを偽って「高度専門職」の在留資格を申請し中国人を不正入国させたとして、警視庁国際犯罪対策課は28日、入管難民法違反(不法上陸)の疑いで、東京都港区高輪、会社役員、藍沢鵬程容疑者(39)を再逮捕した。日本に移住を希望する中国人富裕層を中心に約40人の同じ在留資格の取得に関わったとみて調べる。 同課は26日、共

 
 
 
「使うつもりはなかった」と否認 偽造在留カード所持のベトナム人再逮捕

「使うつもりはなかった」と否認 偽造在留カード所持のベトナム人再逮捕 使用する目的で、偽造された在留カードを所持していたとして、国富町に住むベトナム人の男が、入管難民法違反の疑いで、再逮捕されました。 再逮捕されたのは、国富町本庄のアルバイトで、ベトナム人のファン バン チュン容疑者37歳です。 警察の調べによりますと、ファン容疑者は、今月14日、使用する目的で、偽造された在留カード1枚を所持した

 
 
 

コメント


スリーエー株式会社 

〒651-0083 兵庫県神戸市中央区浜辺通5-1-14 神戸商工貿易センタービル8F
TEL :078-200-6433​  
mail:info@3allc-immigration.com 営業日:月曜日~金曜日(土日祝祭日は除く) 営業時間:9:00~17:00

bottom of page