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永住者と「技人国」の在留管理厳格化へ 

永住者と「技人国」の在留管理厳格化とは

高市早苗政権が与党と調整を続ける外国人政策では、出入国在留管理の厳格化が検討されている。来年1月に総合的対応策をまとめる方針で、対象となる在留資格や具体策が見えてきた。


2015年末に約223万人だった日本の在留外国人は、今年6月末時点で約395万人と10年で約1.7倍に増加した。人口に占める割合は3%程度。経済協力開発機構(OECD)諸国の平均と同様に10%を超えるのは70年と推計されている。  


しかし、鈴木馨祐前法相は8月、このままのペースなら10%に到達する時期が早まる可能性があるとの見解を示した。自民党と日本維新の会は連立政権合意書で、在留外国人の比率が高くなった場合に受け入れ数を調整する「量的マネジメント」に言及している。  


こうした流れの中で在留管理の厳格化が検討されている。対象となっているのが、最も多い在留資格の「永住者」だ。6月時点で約93万人と在留外国人の約23%を占める。  


永住者の在留期間は無期限で、就労に関する制限もない。資格の取得には、素行が善良▽独立の生計を営むに足りる資産または技能▽原則10年以上の居住などが条件。独立生計の収入面での基準を実質引き上げることや、新たに「一定の日本語能力」を求めることが検討されている。  


また、外国人が日本国籍を取得する場合、必要な居住期間は「5年以上」と、永住者の「原則10年以上」より緩やかなことに批判が出ていた。国籍取得の要件も「10年以上」に事実上引き上げる方向で調整が進む。  


2番目に多い在留資格「技術・人文知識・国際業務」(技人国)も検討対象となっている。通訳やデザイナーなど技術や知識を要する業務での就労が認められ、6月時点で約45万人(在留外国人の約11%)が暮らす。だが、単純労働に就いているケースがあり、企業側も含めて資格外就労の対策を強化する方針だ。  


また、在留期間が3カ月を超えると加入が義務付けられる国民健康保険(国保)に一定の未納があれば、在留資格の更新や変更を認めない仕組み作りが進められている。  


デジタル庁が運用するネットワークシステムを活用し、市区町村が保有する外国人の未納情報を出入国在留管理庁が参照できるようにする。現行は外国人の収納情報は集められないことから、26年からシステム改修を進め、27年6月に全国の自治体でスタートさせたい考え。国民年金の未納も在留審査に反映させることも検討している。  


厚生労働省が約150自治体に聞き取ったところ、外国人の国保納付率は63%で、日本人も含めた全体の93%を下回っている。  


医療費の不払い対策も進める。現行は20万円以上の不払いがあれば入管庁に情報が共有されるが、この基準を1万円以上に引き下げる準備を進めている。訪日客ら短期滞在者の再入国の審査などに活用していく方針。


 
 
 

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