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特定技能2号、日本に住み続けたいが跳ね返される

特定技能2号試験が難しいとは

「特定技能2号の試験が難しい」―。こんなお話が漏れ聞こえてきました。折からの少子化に、新型コロナ禍を境に深刻化した婚姻件数の減少。今後若い勤労世帯が減っていくのは目に見えているだけに、働く外国人は貴重な存在となりつつあります。その外国人にとって日本永住への扉を開く資格が特定技能2号です。ただ、「人手不足解消の切り札」との期待をよそに、経験豊富な外国人が「2号」試験ではね返されるケースが相次いでいます。韓国や台湾などとの間で人材の奪い合いが激化する中、日本は大丈夫なのでしょうか。


■3回続けて「2号」試験に不合格

 試験はほぼ2カ月に1回。これを今年7月までに3回受けたと言います。「けれども、3回続けて不合格でした」。恵庭市の「余湖農園」で働くベトナム出身のチャン・バン・フーさん(42)が話してくれました。

 

 試験は、日本で好きなだけ働き続けられる上に、家族の呼び寄せもできる「特定技能2号」という資格を取得するためのもの。チャンさんは農作物栽培の知識を問う「耕種農業」の試験を受けました。農業では「畜産農業」の試験もあります。会場は札幌。「問題はパソコンに表示され、いくつかある答えから選びます」とチャンさんは話します。あとで答え合わせしようにも、頼りになるのは記憶だけ。正答率の連絡はあるものの、どこを間違ったかは分からないそうで、次の試験に生かすのも難しい―と思ったのは、私だけでしょうか。


 チャンさんは2016年に来日。技能実習生として3年間働き、2019年秋から、その年に新設された「特定技能1号」の資格で働いてきました。現在、国内には「途上国への技術移転」を名目に、昨年末段階で40万4556人(道内は昨年10月末現在で1万5532人)が働く「技能実習制度」がありますが、「特定技能」は特に人手不足が深刻な各業界の要望を受けて設けられたもの。技能実習生として一定期間働けば、同じ職業区分なら特定技能1号に無試験で移行できる半面、在留期間は5年に限られます。


 これに対し、有能な外国人に働き続けてもらう狙いで設けられた「2号」は在留期限がありません。「1号」の在留期限が9月に迫る中、チャンさんは「余湖農園で働き続けたい」と考えて「2号」試験に挑んでいたのです。最近になって新型コロナ禍で一時帰国した期間を在留期間から除外できることが分かり、来春まで滞在できることになりました。それでもチャンさんに残された時間はわずかです。


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