建設分野の育成就労対応 外国人材の育成指針示す
- naruhito morii
- 14 時間前
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建設分野の育成就労対応とは
国土交通省は、建設分野での外国人材の育成・確保に向けた有識者会議の報告書をまとめた。育成就労から特定技能まで、建設分野の外国人材に必要な能力・経験を示す「育成・キャリア形成プログラム」の作成を盛り込んだ。育成就労制度の2027年度開始を見据え、建設分野の運用方針や詳細な制度設計に反映する。
建設分野の育成・キャリア形成プログラムは、外国人材に自身のキャリアの見通しを示すとともに、受け入れ企業が計画的な育成・評価を行う指針となる。育成就労から特定技能1号、特定技能2号へと移行するために必要な資格・日本語能力・マネジメント経験を整理した。
このプログラムを基に、各専門工事業団体が職種の特性に応じた「キャリア育成プラン(モデル例)」を作成・公表することを想定。受け入れ企業に対しては、就労する外国人ごとにモデル例を踏まえたプランを作成することが望ましいとした。建設技能人材機構(JAC)は、プラン普及に向けたインセンティブ措置を検討している。
外国人材のキャリア形成に建設キャリアアップシステム(CCUS)を活用する方向性も明記した。現行の技能実習と同様、育成就労・特定技能でも外国人材・受け入れ企業にはCCUSへの登録を義務付ける。将来的には、全ての外国人材がCCUS(詳細型)に登録し、就業履歴を蓄積できるよう、環境整備が「期待される」とした。
また、CCUSと出入国在留管理庁の在留情報を連携させ、外国人材の在留資格や在留期限を元請けが確認できるようにすることも盛り込んだ。
一定レベルの技能を持つ特定技能外国人が施工管理を担うことの可否については、引き続き検討を要するとした。 外国人材と地域社会との共生も主要なテーマとし、国交省や受け入れ企業とともに、JACの果たす役割も位置付けた。具体的には、無料の日本語講座の拡充や、文化・生活マナーに関する理解促進プログラムの提供、日本人従業員向けの外国人共生講座の拡充を検討。オンラインでの医療受診サポート、損害賠償保険への加入支援といった生活面での支援策も視野に入れている。
さらに、地域のボランティア、災害対応活動に外国人材が参加するような優良事例も調査。JACと国交省が連携し、地域社会との協働に取り組む受け入れ企業・団体を支援する仕組みを考える。
特定技能外国人の就労環境整備を担う国際建設技能振興機構(FITS)は、就労面だけでなく生活面でも母国語相談を受け付ける。
報告書の検討成果は、政府が年内にも決定する分野別運用方針に反映する。
